第5弾 HELP! / YOU CAN'T DO THAT | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() オリジナルと同じ8月15日発売(但し37年遅れ) |
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![]() 1965年8月15日日本発売 発売当時の価格は¥370 アメリカ発売は1965年7月19日 |
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◆ザ・ビ−トルズ主演第2作目の映画「Help!」は当初リチャード・レスター監督がつけた「BEATLES PRODUCTION2」と呼ばれていた。そのうちリンゴの提案した「EIGHT ARMS TO HOLD YOU」と言うタイトルが候補にあがって来たが、実のところ皆があまり気に入っていないことがわかった。ジョンが考えた「Help!」にタイトルが決定すると、ジョンとポールは「A HARD DAY'S NIGHT」の時と同様、再びタイトルが先にある曲を書くことになった。最終的にはジョンがひとりで書いた。後にジョンはヘルプの詞について、「ボクは本気で、助けてくれって叫んでいたんだけれど誰も気づいてくれなかったんだ」と言っている。彼が書いた最初の真実のメッセージ・ナンバーである。 ◆レコーディング収録時のOUT TAKEを聞くと テイク1〜テイク4はリズム隊のみのトラックだが7、8小節目のアルペジオを演っているがうまくいかず、ダビングすることにしたのだと思われる。 テイク5〜テイク7で7、8小節目のアルペジオ抜きのリズム隊 テイク8はすぐNG。テイク9でボーカルが入る テイク10は完全バージョンだが7、8小節目のアルペジオ抜き テイク11はすぐNG。 テイク12がベストテイクで2〜6小節目のジョージの「B-A-G,G-F#-E」のフレーズが登場する. ◆アコースティック・ギターは映画「HELP!」の映像ではGibson J-160Eで弾いているのだが、レコーディングされている音に関しては12弦アコースティック・ギターの音である。映画の中で「You've Got To Hide Your Love Away」を唄っているシーンで使われているフラマスのフーテナニー12弦ギターを使っている。 ◆今回のレコーディングでは、このフラマスの12弦ギターを探したのだがどうしても見つからず、井上陽水氏に借りたTailorの12弦アコースティック・ギターと、町支寛二氏に借りたアダマス12弦ギターを使用したのだが、アダマスでは鳴りが良すぎたため、基本的には音が似ている陽水氏のギターを使用させて貰い、部分的にアダマスを使用した。 エレクトリック・ギターは私が所有しているカントリー・ジェントルマン1966年ではちょっと太い音なので、この際、グレッチ・テネシアンを使いたいと思い、このCD-EXTRAのジャケットでビートルズのイラストを描いてもらった三橋博氏の所有する1960年代中期のテネシアンを借りて使用した。 ◆ジョージはベーシックのトラックでは「Help me if you...」の場所では2拍4拍で5弦6弦を強調したカッティングをしている。オーバー・ダビングでB‐A‐G、G‐F#‐Eのフレーズと例の4弦5弦が半音づつ降りてくるアルペジオ風のフレーズを弾いているが、このオーバー・ダビングは同じ事を2回演奏している。 ◆このアルペジオのバックでジョンはアコースティック・ギターのボディを2拍、4拍のリズムで4回叩いている。そのあとのAのコードはロー・ポジションで2弦のC#の音だけを押さえたり放したりして(Bの音)アクセントをつけている。 ◆ベースはへフナー500/1を使用。3コーラス目のドラムスがないパートだけダブル・ノートで弾いている。頭の1発目は4弦5フレットのAと3弦7フレットのE、(Help in any way)の場所のD-G-Aが和音になっている。 ポールの頭を引っ掛けた、弾んだ弾き方が意外と難しい。 ◆歌に関してはイントロの部分以外はジョンもコーラス・パートもダブルトラックで録音されている。 「Won't you please」の部分ではやはりジョンが作った曲とう事で、メロディの一番目立つ高いフレーズをジョンがが歌っているため、ハーモニーのパートが入れ替わっている。 エンディングの部分では「Help」と「Me」が掛け合いになっている。 |
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録 音 秘 話 |
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![]() 1964年3月20日UKシングル発売(Parlophone R-5114) |
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◆レコーディングの行われた1964年2月25日(火曜日)はジョージ・ハリソンの21才の誕生日。 ジョンが「ウィルソン・ピケットのようにやろうとした。」と言って作った曲であり、映画[A hard day's night]の為のサウンド・トラック・アルバムの中の1曲としては2曲目に録音されたが、映画には使用されなかった。 ◆録音が終わり何かが足りないということでリンゴのボンゴと、ポールのカウベルがダビングされた。アルバム用にジョージ・マーティンがピアノをダビングしたのだが、最終的にはカットされている。 ◆アメリカ上陸の際、ジョンとジョージはリッケンバッカー社からジョンの325とジョージの360-12をプレゼントされた。 その12弦ギターをレコーディングで最初に使った曲である。 リッケンバッカー社がプレゼントした翌日、エド・サリバン・ショーでビートルズが使用したため「リッケンバッカー」は一躍、超一流ギター・メーカーとなった。 ビートルズは楽器メーカーとモニター契約のようなものを一切していなかったため、リッケンバッカー、グレッチ、へフナー、ラディックなどがいくら有名になり、売り上げが伸びようと、リッケンバッカー、グレッチから貰った何本かのギターを除いては、その後も自腹で楽器を購入していた。 後のインタビューでポールは「今でもフェンダーの方がいいと思ってるよ。ヘフナーを選んだのは単に金銭的な問題だ。」、ジョージは「グレッチは僕に何本かギターをプレゼントしてくれて嬉しかったけど、ほんとうに欲しかったGと大きく書かれたオレンジのギターはもらえなかったんだ。」と答えている。 ◆今回またまた発見がありました。 今まで、どんな譜面にも書き表されてはいなかった事です。 ジョンが弾く間奏のバックで「You can't do that」のコーラスが 5回繰り返されているのですが、そのフレーズの前後や合間に 「Woo,woo」というコーラスが入っているのです。 詳しくは「録音秘話」をご覧ください。 ◆ジョージの弾く12弦ギターの独特のフレーズで始まるイントロは、歌が始まってもバックでずっと演奏されているが、歌のバックになるとかなりフィーリングで弾いているので毎回フレーズが変わっている。 ◆ジョンが、たまにはリード・ギターも演ってみたいと言って、弾いた間奏は、リズム・ギターのノリのまま複数弦をチョーキングするジョンらしいかっこいい間奏である。低音の4弦、5弦、6弦を叩くように絡んで弾く、ちょっと聴くとまったくのアドリブ風に聞こえる演奏なのだが、レコーディングの初期のテイクからライブの演奏にいたるまで、基本的にはほとんど同じフレーズを弾いているので、ジョンが考えて作り上げた間奏のフレーズである事が解かる。 ジョンの荒々しさの中に隠れている繊細な気持ちがプレイに表れている。 この間奏を完全に再現するのは不可能であるがかなり細かいところまでコピーしたつもりだ ジョンの演奏する間奏の途中には「Long Tall Sally」や「Get Back」同様、必ずと言っていいくらい7thの和音を使ったフレーズが登場するが、この間奏も例外ではない。 ◆今回レコーディングに使用した楽器と弦はリッケンバッカー360/12にはPYRAMIDギター弦(Made in Germany)12弦用(.010〜.0465)、リッケンバッカー325にはPYRAMIDギター弦ショートスケール用(.012〜.052)、、へフナー500/1キャバーンにはPYRAMID BASSショートスケール(Hofner用)、アンプはVOX・AC30を使用している。 |
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録 音 秘 話 |