第1弾 I WANT TO HOLD YOUR HAND / THIS BOY | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() ![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() 邦題「抱きしめたい」/「こいつ」のカプリングで2月5日に発売された。このシングルが出るまで、当時、洋盤といわれていた輸入盤で聞くほかはなかったのである。 時期的には、東京オリンピックの年。新幹線や高速道路など日本が高度成長していく時期に、まさに若者の音楽も高度成長するスタートであった。 1964年2月5日発売 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆1963年10月17日アビ−・ロードのEMIスタジオの第2スタジオでレコーディングされた。 ポールの恋人ジェーン・アッシャー(ピーター&ゴードンのピーター・アッシャーの妹)の自宅の地下室でジョンとポールが書いた曲。 ◆初めて4トラック・レコーディング器材を導入しビートルズの実験的なレコーディングのスタイルが出来あがっていく記念のレコーディング。新しい器材の導入により、それまでのように唄と演奏を同時にレコーディングしなくてもよくなったのだが、ビートルズはその後もスタジオライブ方式でレコーディングをしている。 この日はカプリング曲の「This Boy」も4トラックで録音され両方とも17テイク録音された。 ◆イギリスでは第5弾シングルであったが、アメリカ人にとってはこの曲で初めてビートルズを知った人も多かった。マイナー・レーベルの〈ヴィー・ジェイ〉、や〈スワン〉、〈トォーリー〉などから数種類のリリースはされていたが、大手レコード会社であるキャピトル・レーベルでリリースされ、1964年2月1日、初の全米チャートナンバー・ワンになった。 その後、次々と押し寄せるブリティッシュ・インベイジョンの口火となった曲である。 ◆初めて聞いた時、歌い出しがどうなっているかわからなかった想い出がある独特のイントロである。 3拍目の裏からシンコペーションで入るイントロなのであるが、シンコペーションに気がつくまでどうなっているのかが解らなかった。歌い出し関して、他の部分は4拍目のあたまから歌い出すのだが、イントロからの最初の歌い出しの時だけが、3拍目のあたまからなのである。イントロのしかけと重なって解るまで時間がかかった覚えがある。 ◆サウンド的には1番気をつけなければいけない所は、特徴的なジョン・レノンのサイド・ギター(リッケンバッカ−325)のカッティングである。 基本的にはスタッカートぎみに弾くことによって、あの独特のモコモコした音に近づくことが出来る。 ジョンのカッティングはジョンのリッケンバッカ−325のピックアップのメッキがはがれていることや、J-160Eのサウンド・ホールのまわりの傷を見ればわかるように、相当強いピッキングである。太めの弦を張った強いピッキング、それに加えてあのノリの良さは、歌いながら弾くことで出てくるものである。やはりスタジオライブ録音のようなレコーディング方法のおかげである。譜面通りきちんと弾いてもあの感じはなかなか出ないので、ノリを大事にしたい。 簡単そうに聞こえる曲なのだがサウンドをそっくりに再現させようとすると、かなり難しいので練習が必要。 ◆ジョージのリード・ギターに関しては1回ごとに異なったオブリガードのフレーズを弾いているので、徹底的にコピーすること。サビのアルペジオの部分はダブルになっていて、そのうち片方のギターだけが4小節目をフレーズっぽく弾いているので、注意すること。 ◆レコーディングはジョンのギターが2回、ジョージのギターが3回ダビングされている。ベースはサビの部分を中心にダブル・ノートのコードで弾いている。あの時代にすでにポールの意欲的で独創的な才能が開花している。 ◆ボーカルに関しては、バランスをメロディ部分とサビの部分と変えてはあるが基本的にダブルになっている。 ジョンは基本的には下のパートを歌っているのだが、“I want to hold your hand”の“hand”の部分(Bの音)だけ上下が入れ替わって上のパートをジョンがファルセットで歌っている。ポールが下のパートを地声で歌っているのである。『PLEASE PLEASE ME』でも同じように上下が入れ替わる部分があるので、このシリーズの第2弾で確かめて欲しい。 ◆余談であるが、 “I want to hold your hand”の部分は“I wanna hold your hand”という発音で唄っているのだが、2コーラス目のメロディ部分7小節目“When I say that something”の後の“I want to hold your hand”のジョンのパートだけ、“to”をはっきり発音している。間違えたのだと思うのだが、このCDも意識してコピーしている。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
録 音 秘 話 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() 邦題「抱きしめたい」/「こいつ」のカプリングで2月5日に発売された。このシングルが出るまで、当時、洋盤といわれていた輸入盤で聞くほかはなかったのである。 時期的には、東京オリンピックの年。新幹線や高速道路など日本が高度成長していく時期に、まさに若者の音楽も高度成長するスタートであった。 1964年2月5日発売 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆1963年10月17日アビ−・ロードのEMIスタジオの第2スタジオでレコーディングされた。この日はA面の「I WANT TO HOLD YOUR HAND」と同様、4トラックで録音され17テイク(16〜17テイクはオーバーダブ)が録音された。 ◆ジョンはこの曲について、「スモ−キー・ロビンソンのような3部のハーモニーの曲を、僕なりに作ろうとしたんだ。歌詞にはなんにもないよ。ただサウンドとハーモニーだけだ」と『プレイボーイ』のインタビューで答えている。 ポールはテディ・ベアーズの「To Know Him Is To Love Him」邦題「逢ったとたんに一目惚れ」のコピーをした時の3声のハーモニーをイメージしていた。 ◆ビートルズの曲はどの曲もそうなのだが、曲が始まった最初の1秒で印象が決まってしまう。この曲も生ギターの3つのコードで似ているかどうかの印象が決まってしまう。ということはそれだけ曲の始まりやアルバムの1曲目などには相当気を使っていたのである。ちなみに、イギリスでリリースされた初期のアルバムの1曲目は、すべて声からスタートしている。 ◆歌に関してだがこの曲は主旋律がよく誤解されている。ハーモニーパートのジョンのパートが主旋律なのだが、一番ひくいパートであるために、ポールの歌っている上のパートが主旋律と間違われるのである。 プロのアーティストのカバー・バージョンを聞いても、時々主旋律を間違えているものがある。 これに関しては、映画『ビートルズがやって来る/ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(A HARD DAY'S NIGHT)につかわれているジョージ・マーティン・オーケストラのTHIS BOY(リンゴのテーマ)を聞くと主旋律がどれかがはっきりとわかる。 ◆ジョンのボ−カルのサビの部分のみダブル・トラックになっている。 レコードではこのダブル・トラックの終わったところで、エコーの感じがふっと変わるので、編集されているのがわかる。 ◆ギターに関しては、カッティングに特に気をつけることが大事である。 別に難しいことは演っていないので、生ギター(J-160E)とリッケンバッカー325のカッティングのバランスに注意すること。 エンディングのみに出てくるグレッチ・カントリー・ジェントルマンのオクターブ奏法は気持ちゆったりと弾くほうが、より感じがでる。 ◆ビートルズはステージではほとんどがエレキ・ギターでプレイしているが、レコーディングで一番使用されているギターとしては、ギブソンJ-160Eをアンプをとおさないで、生ギターとしてマイクロフォンで音を拾ったものの使用回数が一番多い。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
録 音 秘 話 |